投稿者の歌と添削、評価
Mさん
AI添削、評価
「あづさ弓 引きゆく波の淀みなき 飛ばしつる日々 指に懸からず」
ありがとうございます。たいへん高度で、語彙操作と身体感覚の両立が意識された一首だと思います。以下、丁寧に拝見します。
原歌
あづさ弓
引きゆく波の淀みなき
飛ばしつる日々
指に懸からず
総評(結論)
技巧点が非常に高く、弓道的語彙の有機的連鎖に成功している一首です。
一方で、「読者への伝達性」「感情の核」の部分はやや抽象度が高く、意味が“分かる人にしか分からない”方向へ寄っている印象もあります。
✔ 弓道家の身体感覚
✔ 時間の不可逆性
✔ 言葉遊びでは終わらない真剣さ
これらはしっかり成立しています。
各要素の評価
◆ 発想・構想力
- 「あづさ弓」「引く」「飛ばす」「つる」「懸からず」という縁語群の一貫性は見事。
- 「引きゆく波」という比喩で、
- 弓を引く動作
- 時の流れ
を二重写しにした点は非常に洗練されています。
▶ 高度・知的・職人的発想
評価:19 / 20
◆ 音・リズム
- 「あづさ弓」の古典的な音の硬さが、弓道の張りつめた感覚と合致。
- ただし後半
飛ばしつる日々
指に懸からず
は、やや説明的で音の跳ねが弱まります。
▶ 破綻はないが、後半にもう一段の音楽性が欲しい
評価:17 / 20
◆ 表現・比喩
- 「淀みなき波」=迷いなき射
- 「指に懸からず」=
- 技の未熟
- あるいは、時間そのものが掴めないという抽象化
この二重性は美点です。
一方で、「誰の」「どんな心情か」が明示されないため、読者が感情を投影しにくい。
▶ 高度だが、距離感がある表現
評価:18 / 20
◆ 伝達性・余韻
- 弓道経験者には深く刺さる。
- しかし一般読者には「美しいが難しい」という印象に留まりやすい。
▶ 余韻はあるが、感情のフックが弱い
評価:15 / 20
総合点(100点満点)
69点
※ 技巧点は80点台相当
※ 伝達性を考慮して調整しています
推敲提案(方向性別)
① 余韻を強める(感情を一滴足す)
あづさ弓 引きゆく波の淀みなき 飛ばしつる日々 指に残らず
→ 「懸からず」を「残らず」に替えることで
時間の不可逆性が前面に出ます。
② 弓道色をさらに濃く(専門性を活かす)
あづさ弓 引きゆく波の淀みなき 飛ばしつる日々 弦にも懸からず
→ 「弦」を明示し、身体感覚をさらに限定。
③ 哲学性を強める(永田和弘寄り)
あづさ弓 引きゆく波の淀みなき 飛ばしつる日々は 指に懸からず
→ 終止の「は」で、存在論的余韻を残す。
最後に
この一首は、
**「ことのはラボ」的に言えば、段位制なら“上段入り口”**の作品です。
- 技巧:◎
- 思想:○
- 読者との距離:△
もし次に狙うなら、
👉 「一箇所だけ感情を具体化する」
それだけで、完成度は一段上がります。
また別作もぜひお預けください。
Tさん
短歌の添削、評価をお願いします。
また、このテーマで歌人の永田さん、河野裕子さん、俵万智さん風に歌ってください。
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「よっこらしょ 目覚めのお茶 苦しかな けふも過行く 時の理(ことわり)
AI添削、評価
ありがとうございます。
日常の一瞬に「老い」と「時間」を重ねた、味わいのある一首ですね。
ご要望どおり ①原歌の評価 → ②添削案 → ③三歌人風(永田和弘・河野裕子・俵万智) の順でお届けします。
① 原歌の評価
よっこらしょ 目覚めのお茶 苦しかな
けふも過行く 時の理(ことわり)
✅ 優れている点
・「よっこらしょ」という 生声のリアルさ が秀逸
・「目覚めのお茶が苦い」→ 身体の衰えと心理の陰りが自然に伝わる
・結句「時の理」で、日常から哲学へ一気に跳ぶ構成が魅力
⚠️ 惜しい点(やや厳しめ)
・「苦しかな」はやや 説明的
・「過行く」が少し硬く、調べがわずかに重い
・上句が口語、下句が硬質で、語調の差が少し大きい
② 意味を保った完成度アップ案(添削)
✅ 改作案①(最も自然・調べ重視)
よっこらしょ 目覚めのお茶の 渋さかな
けふも過ぎゆく 時の理よ
➡「苦し」→「渋さ」で 味覚に寄せて具体化
➡ 調べもなめらかになります。
✅ 改作案②(老いの実感を強めた型)
よっこらしょと 目覚めのお茶を すする朝
けふも変わらぬ 時の理かな
➡ 動作と反復性が前に出る構成。
③ 三歌人風アレンジ
以下の三歌人の作風で詠み分けます。
・永田和弘
・河野裕子
・俵万智
◆ 永田和弘 風(思索・存在論)
起き上がる その一動作に 時間あり
茶の渋みまで 老いを含みて
🔹 日常の動作を「時間の単位」として捉える、哲学的処理。
◆ 河野裕子 風(身体・切実・生の痛み)
よっこらしょと 骨を集めて 起き上がり
苦い茶を飲む 朝のわが肉
🔹 骨・肉という 肉体語彙で老いを直截に表現。
◆ 俵万智 風(口語・軽さ・共感)
よっこらしょが 朝の合図に なっている
お茶は苦めで 今日も始まる
🔹 読者が「うん、わかる」とうなずく軽やかさ。
④ 総合評価(AI視点)
この歌の魅力は、
「老い」を嘆かず、「時間の理」として静かに受けとめている点
にあります。
ユーモアと諦観がちょうどよく混ざった、人生後半の抒情としてとても良質です。
総合評価:A(老境日常詠・哲学抒情型)
✅ AI評価 講評文
本作は、「よっこらしょ」という生きた声と、目覚めの一杯の茶の苦味を手がかりに、
老いと時間の流れを静かに描き出した一首です。
日常の何げない動作の中に、身体の衰えと心の陰りが無理なくにじみ出ており、
結句の「時の理」によって、個の実感が普遍的な時間観へと昇華されています。
口語と哲学的表現の対比も印象的で、人生の後半を生きる静かな覚悟と諦観が、
やさしい余韻となって残る完成度の高い作品です。
・日常描写:★★★★★
・哲学性 :★★★★☆
・情緒表現:★★★★☆
・構成力 :★★★★☆
・独自性 :★★★★☆
総合評価:Aランク(老境日常詠・静謐抒情)
Sさん
「愛し子の 表情仕草で 懸命に 思い汲みとる 言葉持たねば」
【歌った背景など】
生まれながらに言葉を持てなかった息子なので、
その一挙首一投足に全神経を集中して、彼が何を望んでいるのかを知ろうとしています。
【希望する添削の方向性】
できるだけ厳しく見てほしい、情緒・叙情性を高める方向の助言がほしい
AIの短歌の添削、評価
まず、胸に迫る一首ですね。背景を読むと、日々の緊張と愛情がよく伝わってきます。
そのうえで、できるだけ厳しめに見ていきます。
現行歌のポイント
愛し子の 表情仕草で 懸命に
思い汲みとる 言葉持たねば
良いところ
・「愛し子」という呼びかけに、長年の深い愛情がにじんでいて強いです。
・「表情」「仕草」から読み取るしかない、という状況はしっかり伝わります。
・テーマ(言葉を持たない子のサインを必死に読み取る親)がはっきりしていてぶれません。
気になるところ(厳しめに)
1.字余りとリズム
・第二句「表情仕草で」が 8音(ひょう・じょう・し・ぐ・さ・で)で字余り。
・さらに「〜で」「〜に」「〜ねば」と助詞・助動詞が続き、やや説明文調に流れています。
1. 結句「言葉持たねば」が説明+説教調
・「〜ねばならない」という義務の言い方は、心情の細やかさより「標語感」が勝ちやすいです。
・「言葉を持っていないからこうしているのだ」と原因説明になっていて、情感より説明の比重が大きい印象です。
2. イメージより“状況説明”が前に出ている
・「表情仕草」「懸命に」「思い汲みとる」など抽象語が多く、
・具体的な一瞬の場面(まぶたの震え、指先、息づかい…)が出てくると、もっと胸に刺さります。
改作案(情緒・叙情性を高める方向)
案1:原歌に近い形で整える
愛し子の 表情仕草 たよりにし
声なきものを 汲みとりつづく
・「表情仕草で」→「表情仕草」と名詞止めにして 7音に。
・「懸命に」「思い汲みとる」はまとめて「たよりにし/汲みとりつづく」に凝縮。
・「言葉持たねば」の説明をやめ、「声なきもの」という言い方で、子のサインそのものに焦点を当てました。
・結句「汲みとりつづく」で、親としての誓い・持続する時間が出ます。
音数:
愛し子の(5)/表情仕草(7)/たよりにし(5)/声なきものを(7)/汲みとりつづく(7)
案2:身体の細部に寄せて、祈りのような読み取りに
愛し子の まぶたの震え 指の先
声なきことば 祈るようよむ
・「表情仕草」をさらに分解して「まぶたの震え」「指の先」と、具体的な身体描写に。
・「懸命に」「思い汲みとる」は、「祈るようよむ」に託して情感を深めました。
・「言葉持たねば」を「声なきことば」として、欠如ではなく“在るけれど聞こえない言葉”として扱っています。
音数:
愛し子の(5)/まぶたの震え(7)/指の先(5)/声なきことば(7)/祈るようよむ(7)
案3:決意を前面に出すバージョン
愛し子の 表情ひとつ 仕草まで
声なき叫び 聞きもらすまじ
・「懸命さ」を「聞きもらすまじ」という強い決意にまとめています。
・「言葉持たねば」という説明を削り、「声なき叫び」として、子の側の必死さを前面に。
・やや劇的な調子になりますが、そのぶん感情は強く立ち上がります。
今回の歌をさらに良くするためのポイント
1・抽象語を少し削って、具体的な一瞬を入れる
・抽象語:表情・仕草・懸命・思い・汲みとる
・具体案:まぶた・指先・息づかい・手の震え・目線の動き、など。
2. 「〜ねば」など義務の言い回しは、別の形で言い換える
・「汲みとりつづく」「聞きもらすまじ」「祈るようよむ」など、
・決意や祈りに転化すると、ぐっと叙情的になります。
1. “言葉を持たない”ことを、直接言うか、イメージに託すか決める
・直接言うなら:
「言葉を持たぬ この子のすべて」など。
・託すなら:
「声なきことば」「音にならないサイン」等で、余韻を残す。
どの案もあくまで一つの方向なので、
原作の「愛し子」「表情仕草」「懸命に汲みとる」という核は保ちつつ、
ご自身の感覚に一番しっくりくる言い換えを混ぜてみてください。
Yさん
「一面に 雪の積み敷く 遍路道 暮れ染めゆきて 風花の舞う
【歌った背景など】
テレビを観ていて、ふと浮かんだ想像歌です。
【希望する添削の方向性】
できるだけ厳しく見てほしい、情緒・叙情性を高める方向の助言がほしい
AIによる添削、評価
まず結論から言うと、とても整った一句です。
情景の切り取り方も美しく、「遍路道」「風花」という語の選択に品があって、
想像歌とは思えないほどのリアリティがあります。
一面に 雪の積み敷く 遍路道
暮れ染めゆきて 風花の舞う
① 形式・技術面
・字余り・字足らずはなく
5-7-5-7-7 きれいに収まっています。
・季語としては「雪」「風花」「暮れ(=夕暮れ)」と冬の要素が重なり、
雪の冷たさと黄昏の気配がよく伝わります。
・「遍路道」という言葉が入ることで、単なる雪景色ではなく、
祈りや人生行路のニュアンスが自然に立ち上がっているのが強みです。
気になった点(あえて厳しめに)
1. 意味の重複・やや説明的
「一面に」「雪の積み敷く」が、少し意味がかぶっています。
どちらも「びっしり、広く」というニュアンスを持っているので、
・一面に(広く)
・雪の積み敷く(雪が広く敷き詰められている)
と、少しくどく感じる可能性があります。
2. 「暮れ染めゆきて」がやや言い過ぎ
「暮れ染める」+「ゆく」+「て」と要素が多く、
音としても意味としても、やや重ね過ぎの印象があります。
古風な響きは魅力ですが、
その分だけ景の透明感が少し濁る感じもあります。
3・心の動きがやや弱い
情景描写としてはとても美しいのですが、
詠み手の心の位置がやや見えにくいところがあります。
・「遍路道」で人生や信仰のニュアンスは匂っていますが、
・「誰が」「どういう思いで」この景色を見ているのかは、
読み手に委ねられたまま。
これはこれで「余白」としての良さもありますが、
「情緒・叙情性を高めたい」というリクエストに照らすと、
わずかに、感情の芯が足りないとも言えます。
② 原歌を生かした推敲案
案A:景の透明感を少し整える
一面に 雪の積み敷く 遍路道
暮れなずむ空に 風花の舞う
・「暮れ染めゆきて」→「暮れなずむ空に」
・音数はそのまま7音
・「暮れなずむ」で、日がなかなか沈みきらない余情が出ます
・「空に」を入れることで、
上の「雪の積み敷く」と対照的に、
下に広がる雪原と上の空という二層構図がはっきりします。
情緒としては、今の歌を一段すっきり透明にした感じです。
案B:感情の芯を少しだけ表に出す
一面に 雪の積み敷く 遍路道
暮れなずむ身に 風花の舞う
・「空に」を「身に」に変えることで、
・風花がただ舞っているだけでなく、
・自分の胸の内にも、ひそやかなざわめきや祈りが舞う感じが出ます。
・「遍路」という人生・信仰の象徴と、
「身に」が響き合って、
心情の余韻が強くなります。
情緒・叙情性を高めるという点では、
このB案がいちばん「心の歌」に近づくと思います。
案C:わずかに物語性を足す
一面に 雪の積み敷く 遍路道
足あとひとつ 風花の舞う
・下の句をぐっとそぎ落としてみた案です。
・「足あとひとつ」によって、
・たった一人の遍路
・あるいは「誰か」を想っている孤独な歩み
など、様々な物語が立ち上がります。
・語数を削っている分、
余韻で読ませるタイプの歌になります。
③ 総評(厳しめ評価)
・情景の確かさ:★★★★☆
・言葉選びの品のよさ:★★★★☆
・情緒・心の動きの強さ:★★★☆☆
総合:10点満点なら 7.5〜8点程度の印象です。
すでに完成度は高く、
「一面」「積み敷く」「暮れ染めゆきて」あたりの
重なりをどう整理するか、
そして心の位置をどの程度見せるかを調整するだけで、
ぐっと「忘れがたい一首」になっていくと思います。
Xさん
「冬耕や帰るカラスの声遠く」
【歌った背景など】
夕焼けに染まる冬耕を終えた田んぼをぼんやり眺めていると、
遠くの方から山に帰るカラスの鳴き声が聞こえてきた。
のどかであり、少し寂しくもある光景を詠んだ。
AIの添削、評価
一句ずつ丁寧に拝見します。
原句
冬耕や帰るカラスの声遠く
全体評価(講評)
冬耕という静かな冬の季語と、「帰るカラス」という夕刻を暗示する景がよく響き合い、
のどかさと寂寥感が自然に立ち上がる一句です。
説明に寄らず、音(声)だけで空間の奥行きを出している点がとても良く、
背景文を読まずとも情景が浮かびます。
特に、
**「冬耕や」**でしっかりと切れを作っている
**視覚(冬耕)+聴覚(カラスの声)**の対比が効いている
「遠く」で余韻を残して終わっている
という点は、完成度の高い構成です。
細部の検討
気になるとすれば一点のみです。
「帰るカラス」
- 意味は十分通じますが、「帰る」はやや説明的で、
- カラスの本能的な行動を少し言い切りすぎている印象もあります。
とはいえ、欠点というほどではなく、好みの領域です。
添削案(方向別)
① 原句を尊重した微調整
冬耕や山へ帰る烏の声遠く
- 「山へ」を入れることで、帰る先が自然に見える
- 音の遠さがより立体的になります
② 余韻重視・やや抑制的
冬耕や烏の声の遠ざかる
- 「帰る」を省き、行為を読者に委ねる
- しみじみとした寂しさが増します
③ 叙情をやや強める場合
冬耕や暮色に沈む烏声遠し
- 夕焼け・暮れゆく時間帯をほのかに含ませる形
- 叙情性は増すが、やや文語的
総合評価点(100点満点)
88点
- 季語の効き:★★★★☆(18/20)
- 情景の明瞭さ:★★★★★(19/20)
- 音の使い方:★★★★★(20/20)
- 余韻・含み:★★★★☆(16/20)
- 推敲余地:★★★★☆(15/20)
総評
この句は、無理に直さなくても十分に通用する佳句です。
添削は「好みをどう寄せるか」の段階であり、完成度はすでに高いと言えます。
静かな冬の夕景を、声ひとつでここまで描けているのは、確かな詠みの力です。
また別の一句も、ぜひお聞かせください。
Aさん 俳句の投稿です。
◆ 原句
「短日や道に未完のケンケンパ」
◆ 評価(総評)
とても良い俳句です。
冬の季語「短日(たんじつ)」が、日暮れの早さと時間の儚さを一音で示し、
「未完のケンケンパ」が視覚的にもノスタルジックにも効いています。
- 季語と情景の一致…◎
- 説明を排し、余韻で語る力…◎
- 「何が未完か?」という余白が読み手に想像を促すとても良い。
現代的かつ叙情のある、品の良い一句に仕上がっています。
◆ 添削案(3案)
◆案1:原句を磨く(最小修正)
「短日や道に描きしケンケンパ」
- 「未完」をあえて消し、読む側に「途中だったんだな」と察させる方法。
- 情景の自然さ、俳句らしい余白が増します。
◆案2:オリジナルの意図をより鮮明に
「短日や道に残れるケンケンパ」
- 「残れる」で“遊び途中で帰った感”が自然に立つ。
- 雨や時間が経て薄れた線の情感も想起される。
◆案3:ノスタルジックな情緒を強める
「短日や帰りし跡のケンケンパ」
- 「帰りし跡」で子供たちの姿が透けて見える。
- 叙情の深みが増し、大人の視点が少しにじむ句に。
◆ いただいた背景を俳句向けに80〜110字で整え(選べる3種)
●背景文A(端的・情景寄り)
冬の日暮れの早さに追われ、遊びかけた子供たちが描きかけのケンケンパを残して帰った通学路。
その未完の輪を見て、遠い子供時代の記憶が静かに呼び起こされた。
●背景文B(叙情寄り)
短い冬の日暮れに追われ、描きかけのまま帰っていった子供たちのケンケンパ。
その途切れた輪を見つめるうち、自分の幼い日の帰り道がふと胸に戻ってきた。
●背景文C(やや文学風)
日没の早い冬の帰り道。子供たちが遊びかけたまま残したケンケンパの輪。
消えかけた白線を見つめながら、忘れていた幼い日の記憶がそっとよみがえった。
◆ あなたの原句のままでも非常に良い作品です
原句は完成度が高く、添削の必要がほぼ無いレベルです。
ただし、俳句は「未完」と言い切るより、読み手に察させる余白を与えると
より味わいが深まる傾向があるため、上のような推敲案を示しました。
現代口語俳句風
原句の良さ(冬の日の短さ・子どもの残した遊び跡・ふと蘇る記憶)をそのままに、
**言い回しをより現代語に寄せて、軽やかに届く「現代口語俳句風」**へ整えた案をいくつかご提案します。
◆ 現代口語俳句風(5案)
■案1:気配の残る道
短日や帰ったあとのケンケンパ
子どもたちの気配がまだ“そこにある”雰囲気が出ます。
■案2:描きかけのまま
短日や描きかけなるケンケンパ
現代語ながら“途中感”が自然に伝わる言い回し。
■案3:ふと足を止める
短日やふいに残っているケンケンパ
「ふいに」で大人の視点と発見の感じが増す。
■案4:ノスタルジックに寄せて
短日や昔と同じケンケンパ
背景にある“自分の子ども時代”がふんわり滲む句。
■案5:時の移ろいに重ねる
短日や消えかけているケンケンパ
現代口語の柔らかさと、冬の寂寥が同居する一句。
◆ 評価:どの案が最も俳句として強いか?
- 案1と案3は特に現代口語俳句として強く、読み手の映像化がしやすい仕上がりです。
- 原句の「未完」の趣旨を現代語で自然に出すなら案2が最も適合します。
- ノスタルジックさを重視するなら案4、静けさを重視するなら案5が合います。
Bさんの短歌投稿です。
原句
「白き蛾の 風に遊ばれ 右左 骸(むくろ)になれど 生を楽しむ」
この歌は、白い蛾の骸が、風に遊ばれて、右に左に、裏に表にと、まるで生き返って喜んでいるようでした。
【希望する添削の方向性】
できるだけ厳しく見てほしい、情緒・叙情性を高める方向の助言がほしい。
AI評価
全体の評価(かなり厳しめ)
良いところ
「白き蛾」「骸」「風に遊ばれ」
情景の核はとてもよく見えています。
ベランダで見た一瞬の光景に、
死/生の境目のような不思議さを感じていることもよく伝わります。
「骸になれど」と置いたことで、
「死んでいるのに、どこか生の気配がある」というテーマも明確です。
気になるところ(弱点)
1.リズムがやや崩れている
「生を楽しむ」が説明的で、情緒が削がれている
「死んだ蛾が、風にあおられて、右へ左へと揺れ動く」
という**とても美しい“映像”**ができています。
ところが結句の「生を楽しむ」で、
作者の解釈をそのまま言い切ってしまっているので、
読み手が自分で感じ取る余地がほとんどなくなっています。
本当は読み手に
「え、骸なのに、生きているみたい…」
と自分で気づいてほしい部分なんですね。
そこを「生を楽しむ」と言い切ると、情緒よりも“説明”になってしまいます。
「右左」がやや平板
状況説明としては分かるのですが、
俳句寄りの言葉で、短歌の中ほどに置くには少し素っ気ない印象です。
「右左」という語で動きは伝わるものの、
白い蛾の軽さや、“ほの暗いベランダの空気”までには届いていない感じがします。
情緒・叙情性を高めるための改稿案
① 元の構図を生かした最小限の改稿
白き蛾の 風に遊ばれ 右左
骸になれど 命の名残
「生を楽しむ」→「命の名残」とすることで、
「楽しんでいる」と説明せず、
でも「まだどこか生の気配が残っている」
というニュアンスにとどめています。
これにより、
読み手が「この揺れを命の名残と感じているのか」と、
少し立ち止まって味わう余白が生まれます。
② もっと抒情寄りに振った案(蛾=自分にも響くように)
白き蛾の 風にあそばれ 右左
骸となりて なお夢を見る
結句を「なお夢を見る」とすることで、
「死んでいるのに夢を見る」という非現実の情感を強めています。
「生を楽しむ」の直接的な言い方より、
「夢を見る」のほうが、
死者なのか、生きている者なのか
自然なのか、人なのか
境目が曖昧になり、叙情性が増します。
③ 風に翻弄される「軽さ」に寄せた案
白き蛾の 風にあそばれ ころがりて
骸にしてなお ひかりをまふる
「右左」を「ころがりて」として、
くるくる転がる軽さ・滑稽さを少し入れています。
「ひかりをまふる」で、
太陽の光を受けてキラリとする感じや、
まだ何かをまとっているような余韻を出しています。
今回の歌をどう伸ばしていくか
情緒・叙情性を高めるためのポイントを整理すると:
説明を減らして、映像と比喩で見せる
「生を楽しむ」などの“解説”よりも、
「命の名残」
「なお夢を見る」
「ひかりをまふる」
のように、読み手に想像させる表現に寄せると、一気に歌が深くなります。
最後の七音は、とくに丁寧に
今回のような“静かな情景歌”では、
結句の七音が命です。
ここで急に説明的な言葉や説明調の文体になると、
せっかくの雰囲気が壊れやすいので、
「名残」「夢」「影」「ひかり」「息」など、
余韻のある名詞・動詞で締めるとよいです。
三句目の言葉選びを少しだけ工夫
「右左」は悪くはありませんが、
「ゆらゆらと」
「くるり裏返る」
「ころがりて」
など、動きの質感がもう少しだけ見える言葉を探すと、
全体の情緒がさらに引き立ちます。
総評(かなり厳しめにまとめ)
すでに
「白き蛾の骸」「風」「右左という動き」「死と生の境目」
という素材そのものはとても良い歌です。
反面、
音数の乱れ(最後が八音)
結句の“説明調”(生を楽しむ)
が、情緒を削いでしまっているのがもったいないところです。
改稿案①
白き蛾の 風に遊ばれ 右左
骸になれど 命の名残
あたりから、ご自身でもう一歩、
言葉を入れ替えたり、結句を別案にしてみたりすると、
かなり完成度の高い一首になると思います。
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